第76回日本体質医学会総会

会長挨拶

この度、第76回日本体質医学会総会を2026年9月5日(土)・6日(日)の両日、東京大学伊藤国際学術研究センターにおいて開催する運びとなりました。身に余る光栄とともに、本領域の発展に寄与する集いとなるよう、鋭意準備を進めております。

本学会ではこれまで、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、肥満症といったNCDsをはじめ、癌、アレルギー疾患、認知症、神経疾患など、発症の基盤に「体質」が深く関与する多様な疾患を対象に、その成因や予防・治療法について活発な議論を重ねてまいりました。これらの疾患はいずれも現代社会における主要な健康課題であり、個人のライフスタイルや社会・経済・環境因子、遺伝素因、エピゲノム、マイクロバイオーム、免疫応答や代謝調節といった多様な要素が複雑に絡み合って発症に至ることが明らかになりつつあります。

AI(人工知能)の研究と社会実装が進む過程で、従来は想像もされていなかった新たな視点や問題の解決方法も見出されるようになり、「未病」の概念に対する数理科学的アプローチと、最新のAI技術を用いることで、健康状態から疾患発症状態にいたる身体の変化を時空間的なネットワークで捉えていこうという試みもその一つです。

本大会では、革新的技術を駆使した新しい「体質」の理解とその改善が、未来の医療、ひいては社会を明るく照らす一助となることを願って、「未病AI生命科学研究の新時代~体質改善が未来を変える~」をテーマに掲げました。近年、隆盛している機械学習や人工知能といった計算論的手法と、マルチオミクス解析やデジタルバイオマーカー、ライフログといった新たな生体データを疾病の診断や予測に用いる新たなアプローチや最新の知見をもとに、未病の段階で体質を評価・介入し未来のリスクを低減する、予防戦略の最適化の鍵となる新たな体質医学を議論したいと考えています。

コロナ禍を経て、対面で深く議論できる機会の価値は大きいと日々改めて痛感しております。多診療科・多職種の多くの皆様にご参加いただき、学術的な発見と人的ネットワークの拡がりによって、臨床の現場や社会実装へ橋渡しされるような会となりますよう、多くの皆さまのご参加を、心よりお待ち申し上げます。

第76回日本体質医学会総会
会長 山内 敏正 (東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科)