第74回日本体質医学会総会

会長挨拶

この度、第74回日本体質医学会総会をお世話させていただくことになりました国立国際医療研究センターの植木でございます。「体質」は遺伝でありゲノムに規定された変更しがたいものであって、疾病の予防や治療はこの変えることのできない遺伝背景の上に立って、生活習慣等の環境因子を調節しまた「体質」に合った薬物療法を選択するべきものと考えられてきました。一方、最近の研究の進歩により、「体質」はゲノムの情報のみならず、環境因子の影響を受けるエピゲノム修飾や、腸内細菌・口腔細菌と宿主の相互作用による影響も受けて形作られることも分かってきました。すなわち、「体質」は変えようのない個人の形質ではなく、環境要因への介入によって変化しうるものである可能性があり、これを疾病の予防や治療に活かす時代が到来しつつあると思われます。今回の学会では、このような観点から、テーマを「外部環境と体質医学―体質は改善できるかー」として、プログラムの準備を進めております。コロナ禍も一段落し、多くの方々と対面でディスカッションし、本領域の研究者の交流を通じて体質医学の更なる発展に貢献できる学術集会にしたいと考えております。

2024年9月7日8日の両日、東京大学伊東国際学術センターにて、皆様の御参加をお待ちしております。

第74回日本体質医学会総会
会長 植木 浩二郎
(国立国際医療研究センター研究所 糖尿病センター)

president

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