第44回日本炎症・再生医学会

会長挨拶

会長:石井優

第44回日本炎症・再生医学会
会長 石井 優
(大阪大学大学院医学系研究科 免疫細胞生物学)

日本炎症・再生医学会は、炎症の病態解明と治療法開発を目指した「炎症研究会」を前身として1980年に「日本炎症学会」として設立されました。その後、炎症の修復機転での組織再生の重要性が認識され、再生研究を糾合する形で、2005年に「日本炎症・再生医学会」と改称して現在まで発展を続けております。この「炎症」と「再生」という二つのキーワードに関わる様々な分野の研究者が、基礎から臨床まで集い、最新の研究成果を発表・議論し、相互に交流することで未来の医療・医学を切り拓くためのハブとなることが本学会の大きな特徴と言えます。これまでの学術集会でも、免疫学・炎症学、発生・再生学はもとより、分子・細胞生物学、血液学、整形外科学、外科学、リウマチ膠原病内科学、腫瘍学、内分泌・代謝内科学、腎臓内科学、消化器内科学、呼吸器内科学、歯学、薬学など、基礎から臨床までの幅広い領域の医師・研究者が一堂に会し、学際的交流を深める貴重な機会となっております。

炎症・再生学を取り巻く近年の長足の進歩は目を見張るものがあります。免疫・炎症研究の分野では、前世紀までに得られた膨大な基礎的学術成果に基づいて開発された、抗TNF-α抗体、抗IL-6受容体抗体、CTLA-4蛋白質製剤などの生物学的製剤やJAK阻害剤などの新しい薬剤が関節リウマチなどの関節炎や乾癬などでの皮膚免疫疾患において劇的な治療効果を示すなど、臨床現場に革命をもたらしてきました。さらに抗PD-1/PD-L1抗体に代表される癌免疫療法の成功など、免疫・炎症学の進歩は今日や未来の医学・医療に大きなインパクトをもたらし続けています。その一方で、再生学・再生医療の進歩も顕著であり、ES/iPS細胞研究の進展による再生医療の新展開は、不治の病の克服に向けて光明を与えています。エンジニアした細胞・組織による新しい治療法は、医学・医療におけるパラダイムシフトをもたらし続けているように思います。このように今後の発展が大きく期待される本学会の特筆すべき特徴は、その「学際性」が挙げられます。様々な研究分野・研究技術が集い、融合することで、新しい学理の形成や画期的な医療の実現へと常に昇華されています。今後も、神経系、内分泌系、消化器系、呼吸器系など多種多様な臓器・組織を横断的に扱い、バイオインフォマティクス・シングルセル解析、イメージング・画像解析技術、ビッグデータ・AIな最先端の知見やテクノロジーを取り入れながら、最先端の知見やテクノロジーを取り入れながら、この研究領域を基礎・臨床両面から発展させることが重要と考えます。

第44回の日本炎症・再生医学会では「New Start - 炎症再生学の新たなるスタート -」をテーマに掲げ、シティプラザ大阪(大阪市中央区)にて2022年7月12日~13日の開催を予定させて頂く予定にしております。生命原理の理解を基礎にヒトの多くの疾患や難病の克服と健康維持に資する学術集会とすべく、鋭意準備を進めております。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

運営事務局

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